「何の技術も経験もない人に、お金を払って雇う企業なんてあるわけないでしょ!」
と言われた私。
返す言葉がありませんでした。
何とか履歴書に「○○で経験アリ」と書かねば!
どうしよう・・・?
と途方に暮れる私の目に、一つの求人広告がとまりました。
「アシスタントデザイナー募集・3カ月・無給」
「無給!?」こんな求人に応募する人は少ないだろうから採用してもらえるかも!
そうすれば経歴になる!
そう思った私は早速応募。
面接を経て、採用が決まりました。
「ヤッタ~!!」
ところが・・・ここは地獄の8丁目・・・
アシスタントデザイナーとは言っても、ただの「パシリ」です。
仕事その1。
大きな磁石を持って、床に這いつくばっての針拾い。
アトリエの床は布切れ、糸くず、紙切れ、食べカス、ホコリ等ゴミの山!
それらの中に埋まったリサイクル可能なマチ針を拾うのです。
シンデレラの気持ちが初めて理解できた気がしました(悲)
仕事その2。
ダウンタウンのアトリエから本社へ書類を届ける。
交通費なんか出るワケないので、ひたすら速足!競歩です!
やっとの思いで帰ると「何やってたの?!遅すぎっ!」とどなられる(怖)
仕事その3。
タバコ、お菓子、文房具などスタッフ全員の買い物代行。
注意しないと「さっきお金渡したでしょ!」
とバックレられる始末(涙)
その間をぬって、私はアトリエでの作業を
見て覚えようとしました。
誰も何も教えてくれませんから。
自ら進んでお縫子さんのミシンかけを手伝い、
細いストラップの秘密の縫い方もこっそり覚えました。
文句も言わず日々パシり、黙々と作業を手伝う私を見て、
オーナーデザイナーは不審に思ったようです。
「あなたは喋らないし、何を考えてるのか分からない!
明日から来なくていいわ」
と、1か月足らずで私はクビになりました。
「ク、クビ・・・ですか?!」
あまり喋らないのは英語が上手く話せないからです。
黙々と作業したのは集中していたからなんですけど~。
▼住んでいたダウンタウンのアパート▼
▼治安が悪く、窓には鉄格子を付けないと不用心で暮らせませんでした▼
今思うと、まるで牢獄のようです・・・
が!落ち込んでばかりいられません。
貯金は底をつきかけています。
早くちゃんとした職に就かないと!
私は新しい履歴書に「立派な経歴」を書き込み
(パシリとも、職歴1か月とも書きません)
新たにデザイン画をまとめ、
向かった先は名のある中堅アパレル企業です。
かなりの競争率でしたが、3カ月の仮採用となりました。
同時に仮採用されたのは私以外に4名の男女です。
このアピール上手なアメリカ人達とは対照的に、
ロクに言葉もできず何のとりえもない自分。
前のアトリエと同じで、誰も何も教えてくれません。
下っ端には口も聞いてくれません。
弱肉強食のこの世界で、何とか自分を印象付けようと、
装いに工夫を凝らし、
言葉をカバーするために態度や表情にも気を配りました。
その内に、次第に周囲の視線を集めるようになり、
口もきいてもらえるようになりました。
そして3ヶ月後。
裁ちばさみを持って実践作業に入ることを許可されたのは、
何と、私ただ一人だったのです!
自分を印象付けることの大切さ
自分で自分を勇気付けることの重要性
それを骨身にしみて感じた瞬間でした。
が・・・
このあとに起こる驚く事件のことなど、想像もしなかった私です。
まだまだつづく、崖っぷち・・・
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