本採用になったのは私、ただ一人!
もちろん技術や仕事に対する姿勢を評価されての採用ですが、
[印象付けて選ばれた]ということが
何より自分の励みになりました。
その後、1年ほど経った頃の出来事です。
アトリエ企画室のトップに君臨するのは
実に魅力的な女性デザイナーのMs,A。
恐れ多くて、ペーペーの私は直接お話はできません。
いつもチーフ・アシスタントを通じてのコミュニケーションです。
ある日のこと。
チーフが私に車のキーを手渡してヒソヒソと指示を下しました。
「これはMs.Aの車のキー。
地下の駐車場にあるからコレをトランクに押し込んで、
速やかに戻るように。急いで!GO!」と。
「ヒィ~!一体、何ごと?!」
と思いながら大きな重たい袋を3つも抱えながら、地下駐車場へと走る私。
息をきらして企画室に戻ると、
ほどなくMs.Aがランチから戻って来ました。
シャンパンを抱えています。
その栓を勢いよく抜いたと思ったら
「皆ッさ~ん!今日でこの企画室は解散よ~!
今までありがとう♪お疲れさま~!」と言うのです。
「・・・???」
チーフに事情を尋ねると、
Ms.Aは会社側と意見が合わず、
今朝、クビになったとのこと。
私が託された重い袋には、
彼女デザインの型紙が入っていたのだそう!
NYでは、有名デザイナーはお気に入りのアトリエ職人を
自分のスタッフとして抱えているので、
デザイナーの移動と共にスタッフは丸ごと移動するのだそうです。
ってことは道連れ解雇?!
私はペーペーなので、彼女のお抱えではありません。
またしても・・・です。
度重なる崖っぷちにもめげず、
再就職先を見つけて数年間働きました。
その間のことは割愛しますが、
子供服に興味を抱きました。
ルームメイトに5歳の女の子がいたからです。
婦人服から子供服へ路線変更して、
とうとう念願のデザイナー職に就きました(嬉)
そこで評価された私は
「キャラクター部門」を一任されるまでに出世?しました。
仕事はハードでしたが順調に運んでいました。
▼クレヨンのキャラクターブランド▼
業界紙でも紹介されました。
▼私が描いたキャラクターとデザイン画▼
ある日のこと。
普段通りに出社して、会社の大きなガラス扉を
開けようとしましたが、開きません。
「・・・???」
他の社員も来て「何かオカシイぞ!」
という事になり、連絡を取って判明したのは、
なんと倒産して夜逃げしたという事実。
あるんですね~NYでは。
突然有名になったり、一夜にして財産を失ったり。
何が起こるか誰にも分からない。
自分の身は自分で守るしかない。
全て自己責任の上に成り立っているのです。
今まで努力してきた全てを失ったように感じた私は
ショックのあまり、血尿と腰の激痛で意識を失い
救急搬送されました。
私がNYに来てから
すでに10年近く経っていました。
つづく・・・
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好印象スター診断1Dayワークショップ】
6月15日(水) 残4席
7月7日(木) 満席となりました!
となっております。